「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」(二宮尊徳)。「SDGs」「ESG」「サステナビリティ」などの言葉が普及し、多くの企業で取り組むべき重要課題として受け止められるようになった。だが、自社の成長と、環境問題・社会問題の解決を両立させるイメージがつかめず、SDGsに関する目標などが“お飾り”になっている企業もあるのではないだろうか。本連載では、サステナビリティのコンサルティングの第一人者である水上武彦氏が、ビジネスとサステナビリティを結びつけ、長期的に「儲かる」ものにするための経営やマーケティングの手法について、先進事例を交え、分かりやすく解き明かす。第3回は、イノベーションの大家クレイトン・クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」を振り返りながら、サステナビリティが求められる時代に、短期的に顧客の声に耳を傾けることで、長期的な競争力を失うリスクをどう克服するかについて、イタリア大手企業の成功事例をもとに解説する。