生成AIが世界のビジネスシーンに浸透し始めている。その一方で、信頼性やプライバシーに関する課題は依然として残されており、企業ごとに対応方針が大きく分かれている。私たちは今後、生成AIをどのように捉え、どのように活用するべきなのだろうか――。デジタル技術の研究開発に半世紀前から携わり、文理融合の観点からデジタル文明の行方を探ってきた情報学者、東京大学の西垣通名誉教授は、著書『デジタル社会の罠 生成AIは日本をどう変えるか』(毎日新聞出版)で、生成AIの本質を歴史的・思想的な観点から解き明かしている。前編となる今回は、AIの特徴と弱点、AI活用を進める上でのポイントについて聞いた。(前編/全2回)