コミ共和国のケフィール入りボルシチ
危機にさらされる伝統料理
ビーツ料理はボルシチだけじゃない
時代の流れとともに、コミ料理は忘れられていった。ロシアの有名な料理研究者で料理史学者であるヴィリヤム・ポフリョプキン氏は、著書「我が国民の民族料理」の中で、工業化、供給網の変化、ソ連の公共食堂制により、民族料理に必要な材料までが消える状況になった、と書いている。コミ料理には、伝統的に、白海ニシン、ネルマ、インコンヌなどの魚が使われていたが、現在は捕獲禁止になっている。石油も負の影響をおよぼしている。石油抽出はクレソン、ワスレグサ、ガンコウランなどの植物の消滅を招いた。料理芸術のためにも、伝統的なレシピを復活させ、守っていくことが必要である。地域的な特徴のある一般的なロシア料理も、守っていかねばならない。ボルシチは海外でもよく知られているが、地域によってかなり味が異なる。
コミ・ボルシチもそうである。1年の3ヶ月間は寒く、残りの9ヶ月間は非常に寒いコミ共和国では、キャベツがほぼ育たないことから、材料として使わない。キビでボリュームをアップさせる。そして、ケフィール(発酵乳)を入れる。ボルシチの主な材料であるビーツの色を維持するために、酢を使うレシピがあることを考えれば、同じ目的で発酵乳を使うことはそれほどおかしなことではないのかもしれない。
・ ジャガイモ 100グラム
・ ニンジン 15グラム
・ キビ 15グラム
・ サワークリーム 10グラム材料